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モンベルでは「Function is beauty(機能美)」「Light & fast(軽量と迅速)」を基本コンセプトに、数々のアウトドア用品を世に送り出してきました。そして現在では、それら以外に自治体や病院、企業・各種団体などで働く専門家からのニーズを取り入れて開発した製品も数多くあります。アウトドア製品の開発で培ったノウハウを生かした、さまざまな分野の仕事を支える製品の一例をご紹介します。
富山県警察山岳警備隊
富山県警察山岳警備隊は北アルプスの立山・剱岳をはじめとする富山県全域の山岳救助を担っています。前身の山岳救助隊を発展させる形で昭和40年に発足し、技術の高さ、救助実績から国内屈指と称される部隊です。主な活動内容は、山岳における遭難者の救助はもちろん、遭難防止のための声かけや安全登山啓蒙の講話など、登山者の安全を守る活動全般に渡ります。電子メールや電話での山岳情報の問い合わせにも対応し、安全登山に関する情報発信も行っています。救助の際に使用する背負いバンドの発注先を検討する中で「Light & fast」をコンセプトに製品開発を行うモンベルにご依頼をいただきました。
背負いバンド
北アルプスの急峻な山では、救助の際に通常の担架が使えないことが多く、「背負い搬送」を行っています。背負い搬送は背負いバンドを用いて行われますが、従来使用してきたものは40年近く仕様が変わっていませんでした。安全性や快適性の進化が続く登山用品の中で、長年使い続けられており、特に軽量性やコンパクト性については改善の余地が残されていました。軽量コンパクト性は、救助の要請があった際に少しでも早く現場に駆けつけるために重要です。軽量性は荷物を軽くすることに、コンパクト性はバックパックへの収納のしやすさにつながります。軽量コンパクト性は、スピーディーな移動と迅速な救助活動をサポートするための最優先の課題でした。
テストを重ねて製品化した「レスキューキャリーハーネス」は、軽いだけでなく、高い引き裂き強度を備えた生地を使用しているので耐久性にも優れます。独自の袋状構造は要救助者を無理のない姿勢で背負うことを可能にします。ヒップベルト一体型のフレーム入り背面パッドが、隊員(搬送者)にかかる荷重を分散し、負担を軽減します。こうした工夫の一つ一つが、慎重な対応や持久力が求められる救助の現場で役立ちます。専用のスタッフバッグが付属しコンパクトになるのでバックパックへの収まりもよく、たくさんの装備を背負って現場に向かう際もかさばらず、速やかに取り出すことができます。
レスキューキャリーハーネスは、災害や震災時の備えとしても役立ちます。モンベルストアとオンラインストアでも販売しています。
レスキュー キャリーハーネス 価格 ¥33,000(税込)
レインジャケット
防水性や防寒性、蒸れにくさ、といったアウトドアウエアの機能をベースに作られたジャケット。軽くて動きやすいのはもちろんのこと、視認性の高いカラー、脇のベンチレーション、ハーネスの干渉を防ぐため胸に配置された縦ポケット、ヘルメットの上からでも被りやすいフードの形状など、細かな工夫を施しています。
特注品のため、ご購入いただけません。
東京科学大学病院 救急救命センター
東京科学大学病院は、有事に災害派遣医療チーム(DMAT)を編成しています。DMATとは、Disaster Medical Assistance Teamの略で、医師、看護師、業務調整員で構成されます。大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。東京科学大学病院のDMATは、東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨災害などで医療支援を行ってきました。また、東京科学大学病院ではドクターカーを365日運用しています。ドクターカーとは、救急現場へ医師を派遣し現場から救急隊とともにいち早く高度な医療を提供するシステム。地域救急医療へも貢献しています。
1995年に発生した阪神淡路大震災以来、モンベルは「アウトドア義援隊」を結成して被災地支援を行ってきました。支援活動を通じてテントや寝袋、マットなどのアウトドア用品が災害時の対応に役立つことが実証されています。東日本大震災の津波被害を契機に考案された「浮くっしょん」をはじめとした防災用品の開発も行っています。被災地支援や防災への取り組みの繋がりから、東京科学大学病院において長年使ってきたジャケットを見直しする際、モンベルにご依頼をいただきました。
3in1ジャケット
災害医療現場では、壊れた建物などの間を動き回り、人命救助に走るための機動力が必要となります。そのためウエアには軽さと動きやすさが必須です。これまで使われてきたジャケットは重量があり、現場での機動力を欠く場面もありました。医療活動の際に血液や吐瀉物が付着することもあるので、防水性やはっ水性も重要。同時に蒸れを外に逃がす透湿性も備えておきたい性能です。軽量性に優れていること、防水透湿性を備えることの2つが災害医療のウエアに求められていました。
打ち合わせと試作、テストを何度も重ね、ついに多くの機能を備えたジャケットが完成しました。登山用ジャケットの開発で培った軽量性や快適性のノウハウを生かし、従来のものより格段に軽く動きやすくなりました。高い防水透湿性とはっ水性を備えているので雨や雪だけでなく血液や吐瀉物などもブロックし、蒸れを外に逃がし長時間の活動をサポートします。倒壊現場などでの使用も想定して、耐摩耗性に優れた丈夫な素材を使用。反射素材を配置し、夜間の視認性を高めました。聴診器や無線機を固定するパーツを設け、必要な時に素早く手に取れるようにしています。フロントファスナーは裾まで延ばさず、下端はボタンで開け閉めできる仕様。そうすることで膝をつく姿勢で、ジャケットが脚に引っ掛かるのを防ぎます。保温材入りのインナーが取り外せる3in1仕様なので幅広い季節で着用可能です。災害医療の現場だけでなくドクターカーなどでも活躍しています。
特注品のため、ご購入いただけません。
環境省 レンジャー
環境省のレンジャーの仕事は、国立公園などの施設の維持管理や自然環境保護管理のための調査・巡視など多岐にわたります。施設の維持管理は安全で快適な利用、環境保全において重要な仕事です。モンベルは、自然環境を守ることを大きな使命と考えて活動してきました。環境保全に携わる団体や組織に対し、活動時に使用するアウトドア用品の供給などを通じて支援を行ってきました。2014年に環境省と共同開発、リニューアルした制服もその一例です。
環境省・レンジャー(自然保護官)の制服
レンジャーが活動する場所は山や海など多種多様な環境があり、時には木道の脇に伸びた草などの刈り取り作業も行われ、行動量の多い場所ではとにかく汗をかきます。特に、暑い時季の巡視や整備作業では通気性や速乾性を備えたウエアが必須です。その他に公園に関わる計画策定といったデスクワークや、式典などへの参加もあります。機能的かつ、さまざまな場面でも着用できる制服が求められていました。
レンジャーの業務にフィットする、優れた速乾性と通気性を備えたウイックロン素材を使用した半袖と長袖のシャツを製品化しました。フォーマルな場面でも着用できるよう、ハリコシがある生地で仕立てています。型くずれしにくく、きっちりとした印象の装いが持続します。両胸にメモ帳や必要な小物などを収納できるポケットを備えます。現在、日本各地の国立公園で管理を担う約300名のレンジャーと、その補佐を務める現地採用のアクティブ・レンジャーが着用し、日々の業務にあたっています。
特注品のため、ご購入いただけません。
日本航空株式会社
雨風や低温・雪といった過酷な環境から身を守り、快適性を保つウエアは、アウトドアフィールドのみならず、日常の「仕事」の場面でも役立ちます。吹きさらしの広大な駐機場や底冷えのする巨大な格納庫など、空港も季節によってかなり厳しい労働環境となります。2020年に制服のリニューアルを行ったJAL(日本航空)では、モンベルが提案したレインウエアや防寒ジャケットなどのアウターが空港業務の現場に採用されています。
レインウエア、防寒ジャケット
空港では、航空の安全を支える整備士や飛行機の誘導や荷物の搭降載に携わるグランドハンドリングスタッフなどが業務を行っています。整備では機体の狭いところに入り、屈んだり寝そべる体勢になることも多く、屋外での作業では、雨風や雪にさらされることもあります。ウエアの機能性や着心地を非常に重視されており、各現場での作業効率や集中力を支えてくれるウエアが必要とされていました。
ウエアは、防水性や防寒性、蒸れにくさ、といったアウトドアウエアの機能をベースに製品化しました。軽くて動きやすいのはもちろんのこと、仕事で使う工具やフラッシュライトを入れるポケットをつけたり、ヘルメットの上からでもかぶりやすいフードの形状など、細かな工夫を施しています。生地は耐摩耗性を備えた高強度素材を使用し、優れた耐久性を実現。袖口は絞れる形状なので、屋外での業務の際も袖口から雨風が入らず快適に着られます。整備士用とグランドハンドリングスタッフ用を展開。春から秋はレインウエア、冬は防寒ジャケットのように、季節に応じてアウターを変えることができます。現場で働く方々の声を反映したアウターは、国内外の各空港の地上職員約1万5千人が着用し、毎日の業務を支えています。
整備士用
グランドハンドリングスタッフ用
特注品のため、ご購入いただけません。
今宮戎神社
創建から1400年以上もの長い歴史を持つ今宮戎神社(大阪市浪速区)。商売繁盛の神である「えびす様」を祀り、商業の町、大阪の庶民を中心に古くから多くの信仰を集めてきました。同じ大阪市に本社があるモンベルも以前からご縁があり、巫女衣装の特注のご依頼をいただきました。
巫女用作務衣
毎年1月9日~11日に行われる「十日戎」には、3日間で約100万人もの参拝者が訪れます。この時期は冷え込みが厳しく、ご奉仕も深夜にまで及びます。笹を運んだり、屈んで手を伸ばしたりなどの動作も多く、次々と笹を手渡すため、素早い動作を繰り返します。厳しい寒さをしのぐ保温性を備え、長い時間ご奉仕に集中できる快適性を持った衣装がご希望でした。
打ち合わせを重ね、モンベル製巫女衣装が生まれました。起毛した裏地付きの上衣と肌ざわりのよいフリースセーターを組み合わせ、保温性を高めています。何枚も重ね着しなくても暖かいので、着ぶくれを気にすることなくご奉仕にあたれます。また下は袴ではなく足さばきのよいパンツ形状を採用。袖口や裾がぴったり絞られており、動き回っても隙間から冷たい空気が入りにくくなっています。冷えや窮屈さを気にせず快適にご奉仕にあたれると巫女さんたちにご好評をいただいています。
特注品のため、弊社のオンラインストアおよびモンベルストアでは取り扱いしておりません。
大塚なえや
モンベルでは「農林水産業への支援」の一環として農林水産省が推進する「農業女子プロジェクト」に参画し、各地の農業従事者とも連携しながら、農作業に適したウエアやギアを開発してきました。栃木で「大塚なえや」を営む大塚文江さんはそうしたプロジェクトメンバーの一人。ご主人の佳延さんとともに、質の高い野菜の苗を中心にネギやブロッコリーなどの野菜、花を栽培し、環境に配慮した循環型農業を実践しています。
「農業女子プロジェクト」は、女性農業者が日々の生活や仕事、自然との関わりの中で培った知恵を様々な企業の技術・ノウハウ・アイデアなどと結びつけ、新たな商品やサービス、情報を創造し、社会に広く発信していくためのプロジェクトです。
「農業女子プロジェクト」について
農業用ウエア
農作業では前かがみになったり膝をついたりするので、身幅にゆとりのあるウエアの方がさまざまな動きに対応します。作業が長時間の場合などは蒸れにくさに加えて乾きやすさも重要になってきます。洗濯して翌日も着ることもあるので、速乾性は欠かせません。農作業後は、集まりや買い物に行くこともあり、そのまま出かけられる色やデザインも大切なポイントです。そのほか、袖の長さやポケットの位置など、大塚さんをはじめプロジェクトメンバーから現場の意見が集まりました。
既存のクールパーカから農作業用に改良を重ねて製品化したのが、フィールドクールパーカWomen'sです。ややゆったりとしたシルエットで、しゃがんだ時に背中が出にくいロングテールデザイン。脇に蒸れを排出するベンチレーションを設け、作業時の蒸れを軽減します。乾きやすい生地で通気性とUVカット効果を備えています。手の甲を覆う日除けカバーやペットボトルを入れられるポケットなど便利な機能で、日々の作業をサポートします。
フィールド クールパーカ Women's 価格 ¥7,900(税込)
そのほかの製品
農業の現場を支える、耐久性や快適性を追求した製品を多数ご使用いただいています。
モンベルで展開している農業用ウエア・ギアを紹介しています。
モンベルのフィールドウエアについて
黒滝村森林組合
国土の約7割を森林が占める日本では、林業はとても重要な産業です。モンベルでは「7つのミッション」の1つに「第一次産業(農林水産業)への支援」を掲げており、その具現として林業用のウエアやギアを開発してきました。各製品はハードな現場で求められる安全性や機能性を追求し、現場のエキスパートたちのリアルな知見をもとに改良を重ねてきました。そうしたアドバイザーの一人が奈良県黒滝村森林組合の梶谷哲也さんです。紀伊半島を中心に困難な伐採現場や技術講習などで活躍されています。
チェーンソー防護パンツ
チェーンソー防護パンツはチェーンソーの刃から脚を守るために着用するパンツで、伐木(ばつぼく)の現場ではなくてはならないものです。かつては海外メーカーの製品しかなかったため、ネット通販などで試着しないまま取り寄せるしかなく、サイズが合わなくても諦めざるを得ませんでした。林業従事者からは、日本人の体型に合ったチェーンソー防護パンツが求められていました。また、日本の林業現場は欧米と違って傾斜地であることから、動きやすさや軽量性も重要なニーズでした。
試作を重ねて製品化したのが、プロテクションロガーパンツです。日本人の体型に合うように設計されています。背面にストレッチ素材を使用しているため歩行時のつっぱり感がなく、膝に立体裁断を施しているためスムーズな屈伸や足上げが可能です。中空構造の高強度糸を使用することで耐久性と軽量性を両立しています。蒸れを排出するベンチレーションや便利なポケットも備えており、登山用パンツの開発で培った技術が生かされています。チェーンソーの刃が当たる可能性がある両脚前部には、特殊保護材を内蔵。チェーンソーの刃が当たると、瞬時に繊維が引き出され、刃に絡み付くことで回転をストップさせます。
厚手のプロテクションロガーパンツと薄手のプロテクションライトロガーパンツの2タイプが製品化されています。
そのほかの製品
林業の現場を支える、安全性や機能性を追求した製品を多数ご使用いただいています。
モンベルで展開している林業用ウエア・ギアを紹介しています。
モンベルの林業用アイテムについて
釧路市東部漁業協同組合
モンベルでは「農林水産業への支援」の一環として漁業用アイテムの開発を進めてきました。各アイテムは、第一線で活躍する漁業者たちのフィードバックをもとに改良が重ねられており、各地の現場で浸透しつつあります。北海道の釧路市東部漁業協同組合(東部漁協)もそうした現場の一つ。ホッキ貝・ツブ貝の底引き網漁が盛んで、水産物に付加価値を付ける取り組みも行っています。
漁業用ウエア
冬の海では、気温がマイナス20度近くまで冷え込み、強風や波しぶきを一日中浴びることもあります。船上での作業は常に動き続けるため、ウエアには軽量で体への負担を抑えることや蒸れを外に逃がし汗冷えを防ぐことなどの快適性が求められます。出荷前の作業場では水に濡れっぱなしになり、貝に付いた泥や魚の血液などの汚れでウエアが汚れることも多い。船上と作業場、両方での使用を想定し、ウエアには防水性・耐久性に加え、軽さや蒸れにくさ、防汚性(汚れに強いこと)、内側にインナーを重ね着できることなどが必要とされていました。
製品化したウエアは従来のものと一線を画した、軽く蒸れにくいジャケットとビブです。防水性が高く乾きやすいのも特長で、現場での作業を快適にサポートします。ジャケットの袖口は水の浸入を防ぐ二重構造。フロントジッパーの上に2枚のフラップ(蓋)を設け、ジッパーを保護し防水性を高めています。ビブの膝は立体縫製により動きやすさを追求しました。脇の立ち上がりを高くして、水が入りにくい設計にしています。
ジャケットの袖口と裾、ビブの裾は縫い目を減らした接着加工を施し浸水を防ぎ、保水もしにくくしています。厚手のインナーを重ね着できるゆとりのあるシルエットで、軽量モデルのフィッシャーマンジャケット・ビブと、汚れが生地に付着しても落としやすい防汚モデルのフィッシャーマンタフジャケット・ビブを展開。春から秋はもちろん、冬の作業現場も支えています。
モンベルで展開している漁業用ウエア・ギアを紹介しています。
モンベルの漁業用アイテムについて
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