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体の末端である手を冷えや凍傷、ケガから守るグローブは、冬山登山やスキーなど、寒い季節のアクティビティに必要不可欠なアイテムです。用途や機能、構造を知り、豊富なラインアップから最適なグローブを選びましょう。
冬山用グローブに求められる性能
冬山で長時間素手のまま冷気にさらされたり、濡れたままグローブを着用し続けたりすると、次第に手が冷え、運動性が低下し痛みが出てきます。さらにひどくなると皮膚が変色し、感覚を失ったりする「凍傷」になる危険性があります。 そうならないために以下のポイントを重視して選びましょう。
グローブは厚手になるほど保温性は高くなりますが、作業性は下がります。用途に合った厚みや構造のグローブ選びが重要です。
冬山用グローブを選ぶポイント
防水か、防滴か
① 裏地
② 防水透湿性素材
③ 裏地
④ インナー
冬山用グローブには防水モデルと防滴モデルがあります。いずれも防水透湿性素材を使用していますが、違いは縫い目に防水処理が施されているかどうかです。防水モデルは雪上でのあらゆる状況に対応できるよう完全防水設計であるのに対し、防滴モデルは縫い目からの浸水は避けられません。一方で防滴モデルの特長として、防水処理によるごわつきが少なく、軽量・コンパクト設計、低価格といった点が挙げられます。ゲレンデスキーなどのスノースポーツや、低山トレッキングなど、比較的短時間の使用においては十分な性能を持っています。
グローブの構造
着脱式は「アウターグローブ」に取り外し可能な「インナーグローブ」を組み合わせたモデルです。行動中にインナーグローブが濡れてしまっても、予備のインナーを携行すれば交換できるので、数日にわたる登山でも快適に使用できます。本格的な雪山登山やバックカントリースキーなど、厳しい状況に対応できます。
一方、保温材入りの一体型モデルはグローブ単体で暖かく、装着感がよいのが特長で日帰りでの雪山やゲレンデスキー、低山散策におすすめです。
雪山登山向けは「防水+インナー着脱式」グローブ、ゲレンデスキーなどインナーの交換を考慮する必要がなく、着け心地などを優先したいアクティビティでは「防滴+保温材入り」グローブを選ぶなど、用途に応じた組み合わせで選びましょう。
グローブの形状
5本指タイプは指が独立しているため最も操作感覚に優れています。ミトンタイプはグローブ内部で指がまとまっているため最も暖かいですが、その分作業性は劣ります。5本指の作業性とミトンの保温性の中間の性能を持っているのが3本指のトリガーフィンガーです。
冬山登山においては保温性を重視しますが、グローブが分厚くなるので操作感覚をつかむのには慣れが必要です。アイゼンの装着やロープワークなど、グローブを装着したまま操作できるように練習しておくことも大切です。
モンベルの冬山用グローブの特長
強度と操作感覚に配慮したパターン
摩耗が激しい部分から縫い目をなくすために、手のひら全体を独自の設計による縫い合わせの少ないパターンで構成。擦れに強く、自然な操作感覚を実現しています。
ラップアラウンドフィンガー
磨耗しやすい指先を、やぎ革や強度に優れた素材で包み込む構造。指のカーブに合わせた立体パターンが、優れた指先感覚を実現しています。
保水しにくいアジャスタブルベルト
手首のフィット感を調節するアジャスタブルベルトには、保水しにくい素材を使用しています。
一部モデルを除く
ワンハンドアジャスター
グローブを装着したまま、片手で袖口の絞り具合を調節できる機能です。
グローブリーシュ用ループ
別売のグローブリーシュを取り付けられるループを設けています。
左右をつなぐバックル
左右のグローブをつなげられるバックル付き。携行時や保管する際に便利です。
冬山用アウターグローブのラインアップ
防 水 | 防 滴 | ||||||||||
インナー着脱式 |
インナー一体型 保温材入り |
一枚地 | |||||||||
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モデル | 2in1アルパイン テックグローブ |
2in1アルパイン グローブシリーズ |
アルパイン グローブ |
ウインター レザーグローブ |
パウダーグローブ シリーズ |
アイスクライミンググローブ | アルパインライトグローブ | パウダーライトグローブ | パウダー ジップミトン | ウインタートレッキンググローブ | オーバーグローブ シリーズ |
生地厚 | 厚手 | 中厚手 | 薄手 | ||||||||
特長 | しなやかな2レイヤー生地を使用し、優れた操作感覚を実現 | 五本指、トリガーフィンガーをラインナップ | 暖かく、操作感覚に優れたインナー一体型モデル | しなやかさと耐久性を両立したやぎ革を全面に使用 | 五本指、ミトン、トリガーフィンガーをラインアップ | 防水透湿性に優れたアイスクライミング用モデル | ゴアテックス生地を使用した中厚手の防水モデル | 防水透湿インサートを使用した中厚手の防水モデル | 甲のジッパーを開けて手指が出せる中厚手の防水モデル | コストパフォーマンスに優れた中厚手モデル | ドライテック生地を使用した一枚地のオーバーグローブ |
重量 | 238 g | 243 g ※1 | 196 g | 199 g | 150 g ※1 | 137 g | 117 g | 95 g | 149 g | 78 g | 98 g |
アウター | ゴアテックス パックライトプラス ファブリクス2レイヤー |
ストレッチ・ナイロン・ツイル (裾)ポリエステル |
やぎ革 | ドライテック2レイヤー | ストレッチ・ナイロン・ツイル |
ポリエステル | ポリエステル | ドライテック2レイヤー | ドライテック3レイヤー | ||
内側 | - | ゴアテックスインサート 裏地:クリマプラスメッシュ |
ゴアテックスインサート 中綿:エクセロフト 裏地:スーパーメリノウール | 中綿:エクセロフト 裏地:ポリエステル |
ゴアテックスインサート 中綿:シンサレートウルトラ 裏地:シャミース |
ゴアテックスインサート 裏地:シャミース |
防水透湿インサート 裏地:シャミース |
防水透湿インサート 裏地:シャミース |
中綿:エクセロフト 裏地:ポリエステル |
- |
|
インナー グローブ |
中綿:エクセロフト 裏地:スーパーメリノウール |
- | |||||||||
グリップ | やぎ革[はっ水加工・ウォッシャブル加工] | デュラグリップ | やぎ革[はっ水加工・ウォッシャブル加工] | デュラグリップ | デュラグリップ | 合成皮革 | デュラグリップ | ||||
機能 | |||||||||||
縫い合わせの少ない 手のひらパターン |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | - | - |
ラップアラウンド フィンガー |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
アジャスタブル ベルト |
〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 | - | - | - | - | - | - |
ワンハンド アジャスター |
〇 | 〇 | 〇 | - | 〇 | - | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
グローブ リーシュ用ループ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
左右をつなぐ バックル |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
*1 グローブモデルの重量
指先を出せるジッパー付きで操作性を損なわない
ジップミトンシリーズは、甲のジッパーを開くだけですぐに指を出すことが可能です。指先の細かい作業が必要なシーンや、カメラやスマートフォンを使用する際もグローブを外す手間がありません。
インナーグローブを着用することで、ジッパーを開いた状態でも手指の冷えを軽減できます。タッチパネル操作が可能なグローブであれば、より快適な操作性を得られます。
グローブをもっと快適に使いこなす
レイヤリングで細かく温度調節する
冬山用グローブにもウエアのレイヤリングの考えを応用して、ベースレイヤー(汗を素早く吸水拡散、ドライな環境を保つ)、ミドルレイヤー(水蒸気の汗を透過させながら、保温)アウターレイヤー(雨・風・雪を防ぐ)に相当するものをラインアップしています。
手袋の場合アウターグローブがアウターレイヤーに相当し、厚手のインナーグローブをミドルレイヤーとし、薄手のインナーグローブをベースレイヤーとして3枚の組み合わせで使用するのが基本です。気温や用途に応じてミドルレイヤーの厚みを調整します。気温が高いときにはインナーグローブがベースレイヤーとミドルレイヤーを兼ね、アウターグローブと2枚で使用する場合もあります。
無雪登山であれば防水性や防滴性は必ずしも必要ではありません。保温性と防風性に優れ、スマートフォンなどの操作がしやすいグローブがおすすめです。また無雪登山に適したグローブは、オーバーグローブと組み合わせて雪山用インナーグローブとして使用することもできます。
インナーグローブを用途ごとに組み合わせる
インナー着脱式モデルや保温材入りモデルは既に防水・防滴性と保温性を備えていますが、保温性を高めたい場合や、気温によってアウターグローブなしで行動したい場合などには、インナーグローブの組み合わせを変えてみるのもおすすめです。
アクティビティに合わせて細かい温度調節が可能になるので、アウターグローブとの組み合わせ次第で、より幅広い用途に使いまわすことができます。
雪山で気を付けること
雪山では短時間でも素手で作業すると一気に指先が冷えてしまいます。細かい作業がしにくい時も素手では行わず、インナーグローブで行うことが大切です。
雪山でグローブを失うと致命的な状況に陥ってしまいます。予備のグローブは必ず携行しましょう。外したグローブを雪面に置いたりすると風で飛ばされたり、雪に埋もれたりすることがあるので、グローブリーシュの装着もおすすめです。
グローブのメンテナンスについて
冬山用グローブは種類によって洗濯方法が異なるので注意が必要です。基本的には使用後にしっかりと陰干しで乾燥させるだけで十分ですが、汚れがひどい場合はその部分だけを中性洗剤で手洗いします。革が使われているグローブは表面が乾燥しているようであれば、市販の革製品専用のワックスやオイルを使用することではっ水性、生地のしなやかさが保たれます。
インナーグローブも汚れがひどくなければ都度洗濯する必要はなく、使用後はしっかりと陰干しで乾燥させましょう。
また防水生地を使ったグローブは、はっ水スプレーを使い定期的にメンテナンスをすることで、長く快適に使用できます。
グローブのにおいが気になる場合は、消臭スプレーがおすすめです。また、洗濯をする際には商品ごとの洗濯表記を確認しましょう。
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