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沢登りとは渓流をさかのぼる登山のスタイルです。涼しく爽快で、美しい景色に出合うことができます。ただし、水中での行動に適したウエアやギアなど、一般登山とは異なる準備が必要となります。沢登りの魅力と必要な装備について紹介します。
沢登りは渓流をさかのぼる登山のスタイルです。一般的な登山道とは違い、沢登りでは水の流れに沿って進みます。整備された登山道ではないので、地図を読む力や滝や淵を安全に通過するためのロープワークなど、総合的な登山の技術が必要です。その分、手付かずの自然を満喫でき、自由度が高い登山を楽しむことができます。
沢ならではの絶景
豪快に落ちる大滝や、エメラルドグリーンの滝つぼ、一枚岩の上をさらさらと流れる滑滝、源頭部の草原など。一般道では出合えない絶景に感動することでしょう。
森と水に癒される
夏の暑い日に清流を歩くのは実に爽快です。川をさかのぼって分け入れば、そこには豊かな森が広がっています。日本の森と川の豊かさを実感できます。
冒険的な楽しさ
泳いだり、岩を登ったり、次々と難所が現れます。メンバーで力を合わせて乗り越えて行くのはまさに冒険そのもの。沢によって難易度は大きく変わります。
ヘルメット
転倒や落石などから頭部を守ります。
ウエア
衣類は全て合成繊維のものを選びます。コットンや天然繊維のものは乾きにくく体温を奪うので不適。専用のウエアは濡れた状態でも保温力があり、またフィットして水の抵抗が少なく、動きやすいです。夏でも沢の水は冷たいので、乾いた着替えと防寒着は必ず用意します。行動中の防寒着としてレインウエアを着用するのもおすすめです。
グローブ
沢登りでは岩や木、藪などを手掛かりに登っていくので、手を守るためのグローブは必須装備です。ロープワークがしやすいフィンガーレスタイプがおすすめ。
バックパック
水抜けが良い専用パックがおすすめ。濡れたら困るものはドライバッグでしっかり防水対策をします。
靴・ソックス
水の中でも滑らないように、靴底にフェルトか専用ラバーを使った専用靴が必要です。水中は冷えるので濡れた状態でも保温力のあるクロロプレンゴム製のソックスを合わせます。
レッグガード
沢登りで岩に脛をぶつけたり、膝をついて登る際のダメージを軽減します。
沢登りでもっとも重要な靴。濡れた岩やコケの上でも滑りにくい専用シューズが必要です。ソールの種類にはフェルトとラバーの2種類があり、行程や用途に応じて選びます。
ラバーソール(アクアグリッパー)
モンベルが独自に開発したアウトソール「アクアグリッパー」は濡れた岩に対してグリップ力が高いのが特長です。反面、ぬめりのある水垢やコケに対しては滑りやすいので注意が必要です。登山靴に近い形状の「サワークライマー」は足首と足裏の保護力があるので、長時間の行動でも疲労が溜まりにくくなります。「サワタビ」はソールが薄く足裏感覚に優れますが、その分疲れやすいので上級者向け。後述する「サワーサンダルフェルト」と組み合わせて使うことができます。
接地面に密着性が高く、水中の岩肌などの微細な凹凸にもしっかりとグリップします。広い接地面積を持つフラットで均一な独自のソールパターンが、効果的に水を排出し、高いグリップ力を発揮します。
フェルトソール(ポリプロピレン)
水を含みにくい素材のポリプロピレンフェルトソールはぬめりのある水垢やコケなどに対して優れたグリップ力を発揮します。水中での安心感が高いことから、最初の一足としておすすめです。反面、草付きの斜面や泥の上などでは滑りやすいので油断は禁物。またフェルトは摩耗が早いので、下山時には靴を履き替えるなどの工夫が必要です。登山靴に似た形状の「サワートレッカー」は足首と足裏の保護力があるので、長時間の行動でも疲労が溜まりにくくなります。「サワーシューズ」はフィット感が良く足裏感覚に優れていますが、その分ソールが薄いため保護力は低いです。
ソールを換えられる便利なサンダル
ラバーかフェルトにするかは非常に悩ましいところです。そんな時に有効なのがこのサンダル。靴の上から装着することで、状況に合わせてソールの素材を変えることができます。ラバーで滑る水垢やコケが出てきたらフェルトに、フェルトが滑る草付きの斜面ではラバーに、と臨機応変に対応できます。
レッグガード
沢登りでは岩に脛をぶつけたり、膝をついて登ることもあります。その際にダメージを軽減するのがレッグガードです。また脚回りの保温も兼ねています。「サワークライム スパッツ」は膝から下をカバー、「サワークライム ニーガード」は膝のみ保護します。「サワークライム レッグガード」はスパッツに膝当てが付いたもので広範囲にカバーします。保護部分の必要性に応じて選びます。
沢登りに適したソックス
一日のほとんどを水中で行動する沢登りでは足の保温が大切です。水中でも保温力を発揮するクロロプレンゴムを使ったソックスがおすすめです。素材は季節や水温に合わせて厚手と薄手から選べます。「サワタビ」と「サワーシューズ」には指先が割れたタイプのものを合わせます。水温が高い時季には、保温力は低めですが水抜けがよく靴内でズレにくいKAMICO素材のソックスもおすすめです。
沢登りのウエアに求められる性能は、水流の中でも動きやすいようにフィットすること、濡れても乾きやすいことが挙げられます。そのため合成繊維のものを選びます。登山用のウエアでも代用できますが、専用のものならより快適です。素材の厚みや保温性に違いがあるので、気温や水温、またルート上に泳ぐ行程があるかどうかによって選びます。ここでは、泳ぎが少なく気温が高い時と、泳ぎがあって気温が低い時の2パターンのウエアを紹介します。
泳ぐ行程が少なく、気温が高い時のウエア
真夏や、泳ぐ行程が少なく歩きが主体の沢登りでは、熱がこもりにくい薄手のウエアがおすすめ。寒くなってきたら上にレインウエアを羽織るなどして調節します。また手の保護のために専用グローブを装着します。
泳ぐ行程が多く、気温が低い時のウエア
繰り返し泳ぐと体温が奪われ、身体が冷えて行動できなくなってしまいます。泳ぎが主体のルートや気温が低い春先や秋には、水中でも保温性を発揮するクリマプレン素材のウエアがおすすめです。また泳ぎが苦手な方は安全性を高めるために、浮力のあるベストやライフジャケットを着用することも有効です。
水の中を進む沢登りでは、装備の防水対策が重要です。バックパックの中に防水性の高いドライバッグを組み合わせて対応します。泳ぎが多い沢では、ドライバッグの中に防水のスタッフバッグを組み合わせて二重に防水対策を施します。なかでも絶対に濡らしたくない防寒着や、電子機器などはファスナー付きのビニール袋に入れておけば安心です。
沢登りに適したバックパック
沢登りに適したバックパックは大きく分けて2種類あります。一つは、メッシュ素材を使用した水抜けのよいもの。「サワークライムパック」シリーズは水に濡れても保水しないメッシュを全面に使用し、水抜けと軽量化を実現しています。必ずドライバッグを併用して使用します。もう一つは耐水性の高いパック。「ストームパック」は耐水性と耐摩耗性に優れた素材を使用し、水しぶき程度ならば浸水することはありません。本体開口部は気密性の高いロールアップ式で、優れた防水性を確保しています。ただし、完全防水ではないのでドライバッグを併用するのがおすすめです。
ドライバッグ
沢登りの泳ぎでは水圧がかかるため、防水性の高いドライバッグが必要です。おすすめは開口部を巻き込んで留めることで気密性を高めた構造のもの。軽量なライトドライバッグと耐久性の高いドライバッグチューブの2種類あり、用途や容量に合わせて選べます。
ヘルメット
沢登りでは転倒や落石の危険性があるため、頭部を守るヘルメットは必須装備です。
クライミングギア
レベルが上がるにつれ、滝を登ったり、高巻きをして懸垂下降をしたりとロープワークが求められるようになってきます。個人装備としては、ハーネス、スリング、カラビナ、ビレイデバイスなどを用意します。また、ちょっとした段差などで後続のメンバーをサポートするためにスリングも使用します。状況に応じて必要な装備を用意します下記の装備は一例です。必要なロープの長さとクライミングギアはルートに応じて選びます。
沢と相性がいいタープ泊
日帰りで経験を積んだら、泊りがけで沢登りに挑戦するのもおすすめです。沢登りでは装備の軽量化を図るためにタープで泊ることが多くなります。寝袋は夜露対策のために、防水仕様のドライシームレスダウンハガーがおすすめです。虫に睡眠を妨げられないためにバグプルーフスリーピングネットがあると快適。開放的なタープで泊まり、寝ころびながら星をながめる。そんなキャンプが楽しめるのも沢ならではです。原始的な自然の中で泊まる夜は思い出深いものになるでしょう。
宿泊時の注意点
宿泊に適した場所
沢には決まったキャンプ指定地はありません。泊まる場所は増水しても水没する可能性が少ない、やや高くなった場所が適しています。周囲から落石の危険がないかもチェックします。その上でたき火に適した流木が豊富で、フラットで寝心地が良い場所が見つかれば快適な夜を過ごすことができます。
天候の変化と増水に注意
沢登りでもっとも警戒することは天気の変化による増水です。雨が降れば沢はたちまち増水し、危険度が高くなります。特に宿泊地で豪雨になれば、装備ごと流されるリスクがあります。入渓する数日前から天気をチェックし、まとまった雨が降る予報なら計画を変更するか、中止することも検討します。
経験者やガイドから学ぶ
沢登りを自分だけで始めるのはなかなか難しいものです。正しい知識を身に付けるためには、経験者に同行して経験を積んでいくのがおすすめです。M.O.C.(モンベルアウトドアチャレンジ)では初心者から参加できるイベントからステップアップのための講習会まで用意しています。ぜひご参加ください。
M.O.C.沢登りイベント一覧へ
ガイドブックや技術書を参考に
沢登りを独学で学ぶには技術書が役に立ちます。沢登りの魅力、必要な装備、読図やロープワーク、宿泊の方法まで必要な技術が学べます。実際の計画では、市販されている「ルート集」が便利です。全国の主要な沢を網羅したものから、地域に特化したものまでいろいろな本が出版されています。沢の概要、難易度、コースタイム、アクセス方法に加えて、「遡行図」という沢のルート図が掲載されています。
保険も登山“装備”のひとつです。安心して沢登りを楽しむために、傷害保険に加入しましょう。モンベルのアウトドア保険は、事故によるケガの補償をはじめ、捜索救助費用や他人をケガさせてしまった場合の賠償事故など、さまざまなトラブルに対応します。沢登りでは一般の登山道から外れるため、ケガや遭難リスクも高くなります。保険の種類は補償範囲が広い、モンベル山行保険(短期補償タイプ)かモンベル山岳保険(長期補償タイプ)を選びましょう。
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